組成物発明における「からなる」の文言解釈について

 一般に、組成物に係る発明(以下「組成物発明」という。)の特許請求の範囲の記載には、「AとBのみからなる組成物」、「AとBからなる組成物」、「AとBを含有する組成物」という場合が存在する。

そして、それぞれの発明の要旨認定において、特許庁現職時には、前二者はA又はB以外の第三成分を包含できないのに対し、後者はA又はB以外の第三成分をも包含できると解釈して運用していた。

しかしながら、組成物発明における「からなる」との文言について、そのように解釈しない裁判例もあったところ、知財高裁平成29年1月20日特別部判決・平成28年(ネ)第10046号[オキサリプラティヌムの医薬的に安定な製剤](以下単に「大合議判決」という。)によって、個人的には一応の決着がついたと見ている。

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審査及び審判に関する用語の解説

ここでは、特許出願についての審査及び拒絶査定不服審判に関する用語に関し、実務上、特に重要な事項について解説します。

  • はじめに

    特許法における規定のうち審査及び審判に関する部分は、審査官や審判官を宛先とし、これらの行政機関を縛るために書かれたものがほとんどです。

    すなわち、審査官や審判官はその認定判断するところに従って特許法に規定する処分又は裁決をしなければならないのであり、そこにおいて特許出願人や審判の請求人と権利の存否を巡って対立構造をとるものではありません。

    しかしながら、特許出願人や審判の請求人が審査や審判における対応を検討するためには、審査官や審判官が、どのようなことを、どのような場合にすることができ、又はすることができないかを踏まえなければなりません。

    そこで、本稿は、特許法を「裁判規範としての特許法」に読み替えることも有益であろうとの考えのもと、これを試みたものです。

    もっとも、処分又は裁決の適法性を基礎付ける事実の存否は、審決に対する訴えにおいて初めて裁判所による審理判断を受けるものであるところ、ここにおいて、処分庁は、当該事実のうち当該処分又は裁決が満たしていないと原告が指摘ないし主張する部分に限り、これを立証すれば足りるものであることを予めご了承ください。

  • 本編

  • おわりに

    準備中

  • 公開日:平成28年(2016)08月23日
  • 更新日:平成28年(2016)11月01日
  • 標 題:「審査及び審判に関する用語の解説」
  • 文 責:弁理士 花田健史花田特許事務所