偶然を味方につける

NHKラジオ第1午前6時43分頃に放送される「マイBiz」を聴く。2024年11月20日に放送された、明治大学大学院野田稔教授のインタビューに共感。野田先生は人生は「たまたま」の場合が多いと言われる。国家公務員試験に合格して特許庁に入ったのもたまたまである。特許庁など聞いたことがなかったが、本学の先輩から来ないかと言われて入った。特許庁でも上司からこれをやってくれ、あすこに行ってくれとよく言われたが、どうして私がという等の思いがあった。

幼い頃、祖母からだれかが見ているから「誠実」にやるようにとよく言われた。これは一つの人生訓と思っていたが、これにエビデンスがあることに驚いた。スタンフォード大学のジョン・Ⅾ・クランボルツ教授らが、1999年に提案したキャリア論。これは、数百人にのぼるビジネスパーソンのキャリアを分析した結果、個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。その偶発を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていく考え方(計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory))。野田先生は、ただ漫然と待つのではなく、次の三つのポイントを挙げられた。①好奇心をもつこと②楽観的であること③学び続けること。

企業と懇談した際、発明者にどのようにして発明したかとよく質問する。発明者は、どうしてこうなるのか、その結果が腑に落ちない、そこで更なる探究して、発明につながったとのこと。特許審査においても、予想外の効果、予期し得ない効果を奏する発明は特許される。若い頃、✕社の工場見学した際、社長さんから聞いたことがある。それはアイデアは天井に流れている。なにもしなければ、手に入らない。絶えず考え、努力することにより、偶然アイデアが降りてくるとのこと。当時、言われていることが理解できなかったが、「計画的偶発性理論」と軌を一にする。

2024年11月22日記